金曜の午後4時。クライアントから「バナーのデザインはできましたか?」とメッセージが届きます。デザイナーはコンテンツの承認待ちだと思っており、アカウントマネージャーはファイルを昨日送ったつもりでいます。案件が5件のAgencyなら、数通のメッセージで解決できる話です。しかし50件のプロジェクトが同時に動いている状況では、これこそが納期が静かに遅れていくパターンです。

本記事では、Marketing・Creative Agency向けOdooが、多数のプロジェクトを同時に管理するうえでどう役立つかを解説します。納期が遅れる理由、リスクを早期に可視化する3つのステップ、進捗とお金をつなぐ方法、そして「誰も開かないツールがもう一つ増えるだけ」にならないための注意点をまとめました。
目次
💡 インサイト:納期が遅れるのは、チームの仕事が遅いからではほとんどありません。特定の人に仕事が集中していることや、あるタスクが他の人の作業待ちになっていることに、誰も早い段階で気づけないから遅れるのです。50件のプロジェクト管理は、作業能力の問題ではなく「見えるかどうか」の問題です。
50件
のプロジェクトを、1つのプロセスと1つの管理ボードで並行管理
3ステップ
標準化、負荷の可視化、タイムシートと請求への連携
1つのデータ
アカウント、デザイナー、コンテンツ、経理が同じ数字を見る
PART 1
Marketing Agency向けOdoo:なぜプロジェクトの納期が遅れるのか
MarketingおよびCreative Agencyには共通の特徴があります。1件ごとの案件は小さいものの数が多く、関わる人も多様(アカウントマネージャー、ストラテジスト、ライター、デザイナー、メディア担当、クライアント)で、タスク同士が連鎖的に依存し合っていることです。チャット、スプレッドシート、バラバラのタスク管理ツールで運用していると、遅延の原因はたいてい同じいくつかのパターンに行き着きます。
| よくある症状 | 根本原因 | 結果 |
|---|---|---|
| タスク同士が待ち合っていることに誰も気づかない | タスクの依存関係が各自の頭の中にしかない | コンテンツ未承認のためデザイナーの着手が遅れる |
| 一部のメンバーに常に負荷が集中する | 各メンバーの作業量を全体で把握できていない | 優秀な人ほど仕事が増え続け、最終的に遅れる |
| プロジェクトごとにやり方が違う | 標準的なプロセスやタスクのチェックリストがない | 承認や引き継ぎのステップが抜け落ちる |
| 遅れに気づくのが遅すぎる | 進捗報告が週次の手作業更新になっている | リスクが納期当日になって初めて表面化する |
この4つの症状には共通の解決策があります。すべてのプロジェクト、タスク、工数を1つのシステムに集約し、担当者からの報告を待たずにリスクが早期に見えるようにすることです。
PART 2
ステップ1:Odoo Projectのテンプレートとステージでプロジェクトを標準化する
50件のプロジェクトを抱えているとき、最初にやるべきことは新しいツールの購入ではありません。すべてのプロジェクトを同じ型に沿って進めることです。Odoo Projectでは、その型は次の要素で構成されます。
🗂️ 統一されたプロジェクトステージ
自社の実際の進め方に合わせてステージを定義します(例:ブリーフ、進行中、社内レビュー、クライアントレビュー、完了)。すべてのプロジェクトが同じステージを使うため、カンバンボードを一目見るだけで、どこで作業が止まっているかが分かります。
📋 プロジェクト種別ごとのテンプレート
SNSキャンペーン、ブランドアイデンティティ、ランディングページでは、必要なタスクが異なります。種別ごとにテンプレートとして保存しておけば、新規プロジェクトを毎回ゼロから組み立てる必要がなく、タスク、担当者、推奨期限があらかじめ用意された状態で始められます。
🔗 タスクの依存関係と納品マイルストーン
どのタスクが終わらなければ次のタスクを始められないか(コンテンツ承認の後にデザイン)を設定し、クライアントレビュー日やゴーライブ日などの重要なマイルストーンを置きます。記憶に頼るのではなく、システムが適切なタイミングで適切な人にリマインドします。
PART 3
ステップ2:納期が遅れる前に作業負荷を可視化して管理する
すべてのプロジェクトが同じ型に乗ったら、本当のマネジメントの問いを立てられるようになります。「来週、誰に負荷が集中しているか? 遅れそうなプロジェクトはどれか?」 Odooは次のビューでこれに答えます。
- 期限フィルター:期限超過のタスクや今週期限のタスクを、プロジェクト別、担当者別、クライアント別にまとめてすぐに確認できます。
- ステージ別カンバン:ボトルネックを発見できます。たとえば「クライアントレビュー」列にタスクが溜まっている状況などです。
- リソース計画カレンダー:Planningアプリ(Enterprise版の機能)で、週ごとに各メンバーへ割り当てられた時間を確認でき、過負荷になる前に仕事を再配分できます。
- タスク別タイムシート:見積時間と実績時間を比較し、想定より時間がかかっているタスクを把握できます。
違いは気づくタイミングにあります。納期当日に遅れを知るのではなく、プロジェクトの途中で兆候を見つけ、調整する時間を残せます。
PART 4
ステップ3:進捗をタイムシート、見積、請求につなぐ
Agencyにとって、納期遅れは信用だけの問題ではなく、お金の問題でもあります。見積を超えた工数は、プロジェクトの利益率を押し下げます。Project、Timesheet、Sales、Invoicingが同じデータを共有しているため、1つのプロジェクトで進捗と収益の両面を追えます。
| マネジメント上の問い | 必要なデータ | Odooでの参照元 |
|---|---|---|
| このプロジェクトは工数オーバーしていないか? | 販売した工数と、記録された実績工数 | Sales + Timesheet |
| いつ請求できるか? | 完了したマイルストーン、または承認済みのタイムシート | Project + Invoicing |
| 最も利益率の高いクライアントはどこか? | プロジェクトごとの売上とコスト | プロジェクト収益性レポート |
| 新しい案件を受けてよいか? | チームの現在の作業負荷 | CRM + Planning |
エディションについて:OdooにはCommunity版とEnterprise版があり、公式のアプリ、機能、料金プランは時期によって変更される可能性があります。一部の機能(たとえばPlanningやガントビュー)はEnterprise版に含まれるため、ソリューションと予算を確定する前に、エディションごとの機能範囲を必ず確認してください。
PLAN
Marketing・Creative AgencyがOdooを導入する際の注意点
Odooが自動的に納期を守ってくれるわけではありません。チーム全員が実際に使って初めて効果が出ます。始める前にやっておきたいことは3つです。
- ProjectとTimesheetから始める:進行中のプロジェクトをすべて1か所に集め、チームが工数を記録する習慣をつけます。習慣が定着したら、Sales、Invoicing、Planningを追加します。
- ステージとテンプレートはシンプルに保つ:1つのプロジェクトに30ものステップがあると、更新が面倒になり誰もやらなくなります。遅れるかどうかを本当に左右するステップに絞りましょう。
- システム上での更新を徹底する:進捗はOdooで更新されて初めて「進捗」と見なす、というルールを決めます。チャットやスプレッドシートでの報告を並行して続けると、システムはすぐに古くなります。
自社に合ったステージ、テンプレート、導入ロードマップの設計をサポートしてほしい場合は、Sonixがお手伝いします。Odoo導入サービスの詳細もぜひご覧ください。
KEY TAKEAWAYS
| ポイント | Agency経営層にとっての意味 |
|---|---|
| ステージとテンプレートの標準化 | すべてのプロジェクトが同じ型で進み、カンバンボードで停滞箇所が分かる。 |
| 作業負荷の早期可視化 | 納期当日ではなく、プロジェクトの途中で過負荷や遅延リスクに気づける。 |
| 進捗とタイムシート・請求の連携 | 納期を守れているプロジェクトと、本当に利益が出ているプロジェクトが分かる。 |
| 小さく始め、チームに使ってもらう | 全員がOdoo上で直接進捗を更新して初めて、システムが機能する。 |
数十件のプロジェクトを抱え、納期遅れが心配ではありませんか?
30分のディスカバリーコールをご予約ください。Sonixが、プロジェクトの進め方の型、最初に導入すべきOdooアプリ、そして貴社のAgencyに合ったロードマップを一緒に整理します。
Sonix – お客様の成功が私たちの喜びです。

コメントを残す