20本ものレポートを作っても、誰も開かなければ意味がありません。CRMを使い始めたばかりで、どのCRMレポートから見ればよいか迷っているなら、まず次の3つから始めてください。
CRMレポートとは、簡単に言えば、チームがすでに入力した営業データから作る表やグラフのことです。最初に用意したいのは、フェーズ別のパイプライン、長く動きのない商談、成果の出ているリードソースの3つです。CEOやCMOがよく尋ねる3つの質問、つまり「今どれだけ案件が進んでいるか」「どこで止まっているか」「顧客はどこから来ているか」に答えてくれます。
【ご注意】記事中の事務機器販売会社と数値は説明用の仮定であり、実在のお客様の事例ではありません。レポート名、項目名、絞り込み条件はSalesforceの設定によって異なる場合があります。固定のテンプレートではなく、出発点としてご覧ください。

最初に作る3つのCRMレポート:フェーズ別パイプライン、停滞商談、成果の出るリードソース。
CRMレポートは最初の3つに絞るべき理由
CRMを使い始めたばかりのチームは、ある落とし穴にはまりがちです。システムがさまざまなレポートを作れるため、つい多く作ってしまうのです。数週間後にはレポートの一覧だけが長くなり、どれから見ればよいか分からず、大半は見られなくなります。
レポートが役立つのは、具体的な意思決定と結びついているときだけです。以下の3つは、商談の流れに沿っています。全体を見渡し、止まっている箇所を探し、そこから顧客の入口にさかのぼります。それぞれが、管理者が実際に抱く問いに答えます。
| レポート | 答える問い | 見る頻度 |
|---|---|---|
| 1. フェーズ別パイプライン | 各フェーズに商談が何件あり、合計金額はいくらか? | 毎週 |
| 2. 長く動きのない商談 | どの商談が長期間アクティビティなしか? | 毎週(営業会議の前) |
| 3. 成果の出るリードソース | 各ソースから何件のリードが来て、何件が商談になったか? | 毎月 |
レポート1:フェーズ別パイプライン
最も基本となるレポートで、「各フェーズに商談が何件あり、合計金額はいくらか?」に答えます。1つだけ作るなら、これにしてください。
作り方
- レポートタイプは「商談」を選ぶ
- フェーズでグループ化し、件数と合計金額を表示する
- 進行中の商談だけに絞り、受注済み・失注済みは除く
読み方
- 極端に大きい列:特定のフェーズに商談が滞留している可能性
- 最終フェーズが薄い:成約間近の商談が不足している
- 初期フェーズが薄い:数か月後に案件が足りなくなる
仮の例:事務機器販売会社で、見積フェーズに商談が多いのに、交渉フェーズへ進む商談がほとんどないとします。このとき管理者の次の問いは、合計の数字ではなく、「見積後にお客様が沈黙しているのか、フォローが足りないのか」になります。
フェーズや見本データがまだない場合は、Salesforce Sales Cloud Setup Guide in 10 Minutes(英語)が、フェーズの作成からフェーズ別の商談レポートの実行まで案内しています。
レポート2:長く動きのない商談
このレポートの問いは「X日以上アクティビティのない商談はどれか?」です。放置された商談が自分から知らせてくれることはほとんどなく、お客様が他社を選ぶまで静かに止まっています。
作り方
- 同じ「商談」レポートタイプを使い、進行中の商談に絞る
- 最終活動日がX日より前、という条件を追加する
- 金額の降順で並べ替え、大型商談を上に表示する
使い方
- 毎週の営業会議の前に開く
- 各商談の担当者に「次のアクションはいつ何か」を確認する
- 見込みのない商談は終了し、パイプラインをきれいに保つ
Xの値はチームで決めます。営業サイクルは会社ごとに違うためです。小口の注文が中心の事務機器販売なら短め、大型プロジェクトなら長めの基準が必要です。数分で一覧を確認し切れる長さになる基準を選んでください。一覧が長すぎると、誰も対応しません。
この手動のレポートに慣れたら、AIで商談の注意喚起を支援する方法も検討できます。Einstein AI in Salesforce: What Can AI Actually Do for Your Sales & Marketing Team?(英語)が商談インサイトなどの機能を解説しています。利用できる機能はご契約のエディションによって異なります。
レポート3:成果の出るリードソース
問いは「各ソースから何件のリードが来て、そのうち何件が商談になったか?」です。CMOが最も必要とするレポートで、どのチャネルに力を入れるべきかが分かります。
作り方
- レポートタイプは「リード」を選び、リードソースでグループ化する
- リード件数と、取引開始済み(Converted)のリード件数を表示する
- 期間を固定する(例:月単位または四半期単位)
読み方
- リードが最も多いソースだけを見ない
- ソースごとに、リードから商談への転換率を比較する
- リード数は少なくても転換率が高いソースは、追加投資の価値がある
仮の例:Webサイトからのリードは多いものの商談になる割合が低く、紹介は件数が少なくても転換率が高いとします。このときCMOは、リードが最も多いチャネルの予算を自動的に増やすのではなく、Webサイトの内容を見直す根拠を得られます。
ひとつ注意点があります。サンプルがまだ小さい(数十件程度)場合は、結論を急がないでください。数か月ほどデータをためてから比較しましょう。
3つのレポートを実際に見てもらうために
レポートは、元になるデータが正しい場合にだけ正確になります。担当者がフェーズ、活動日、リードソースを空欄にすると、3つのレポートは歪んだ姿を映します。レポートを作る前に、必須項目と入力のタイミングをチームで決めましょう。
閲覧者が1つずつレポートを探さなくて済むよう、3つを1つのダッシュボードにまとめてCEOやCMOに共有できます。各レポートには、見る担当者と明確な頻度(毎週または毎月)を決めてください。見る人のいないレポートは、すぐに使われなくなります。
4つ目のレポートを足すのは、上の3つでは答えられない現実の問いが出てきたときだけにしましょう。そうすればシステムはすっきりし、チームも毎週レポートを開く意欲を保てます。
チェックリスト:最初の3つのCRMレポート
レポートを増やす前に、次の短いリストで3つの基本レポートの準備ができているか確認しましょう。
☐ パイプラインのフェーズを決め、意味をチーム全体で合意した
☐ フェーズ別パイプラインのレポートを作成した(件数と合計金額)
☐ 停滞商談レポートのX日の基準を決めた
☐ 新規リードのリードソースを必須入力にした
☐ リードソースのレポートを作成した(リードから商談への転換率つき)
☐ 3つのレポートを1つのダッシュボードにまとめ、担当者と頻度を決めた
毎週見ているレポートは何ですか?下のコメント欄でぜひ教えてください。Sonixチームがお待ちしています。
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