別のCRMを使っていて、何年もかけて顧客データを蓄積してきた。そしてSalesforceへの移行を検討している。しかし、多くの人が決断を先延ばしにする最大の理由は、取引履歴、メモ、連絡先情報のすべてが移行中に失われたり壊れたりするのではないか、という不安だ。
結論を先に言えば、旧システムが標準フォーマットでのエクスポートに対応していれば、原則としてデータは完全に移行できる。データ消失のリスクは、プラットフォームを切り替えること自体ではなく、急いで移行し、前後の確認を省くことから生まれることが多い。

他社CRMからSalesforceへの移行:安全なデータ移行プロセス
基本原則
原則として、データは失われるのか
市場にあるほとんどの主要なCRM、HubSpot、Zoho、Pipedrive、あるいは自社開発のシステムであっても、CSVやExcelファイルでのデータエクスポートに対応している。これはSalesforceがData Import WizardやData Loaderを通じて、データ量に応じて取り込める標準フォーマットだ。
技術的に見て、2つのCRMシステム間でのデータ移行は珍しい操作でも、特別にリスクが高い操作でもない。これはSalesforceの導入パートナーが何度も行ってきたプロセスであり、確認手順もすでに長年かけて標準化されている。
リスクの所在
実際のデータ消失リスクはどこから来るのか
最大のリスクは、Salesforceが旧データを「読み込めない」ことではなく、旧システムからエクスポートされた時点でデータがすでに不完全だったり、フォーマットが崩れていたりすることだ。例えば、エクスポート時に項目の文字数が切り詰められたり、レコード間の関係(どの顧客がどの会社に属するか)が、フラットなファイルに変換される際に失われたりする。
2つ目のリスクは、小さなサンプルデータで事前にテストせず、一度にすべてのデータをインポートしてしまうことだ。その結果、フォーマットのエラーは、すでに何千件ものレコードが新システムに取り込まれた後になって初めて発見される。
3つ目のリスクは、あまり語られないがかなり一般的なもので、移行前後の全体的な合計値、例えば顧客の総数や進行中の案件の総額を誰も突き合わせないことだ。もしレコードが欠落していても、旧データソースに戻るには手遅れになるまで、誰も気づかない。
安全なプロセス
安全なデータ移行プロセス
旧システムからデータをエクスポートしクリーニングする
インポートを考える前に、必要なデータをすべてエクスポートし、重複を削除してフォーマットを標準化する。これはまさにSalesforce移行前のデータ準備についての記事(英語)で取り上げた内容だ。
小さなサンプルデータでインポートをテストする
まず50〜100件程度の代表的なレコードをインポートし、データが正しく表示されるか、項目が正確にマッピングされているかを確認してから、すべてをインポートする。
すべてをインポートし、合計値を突き合わせる
全体をインポートした後、旧システムへのアクセスを失う前に、顧客総数、案件総数、進行中案件の総額といった重要な概要数値をすぐに旧システムの数値と突き合わせる。
旧システムをしばらく閲覧専用で残しておく
旧システムのアカウントをすぐに解約せず、少なくとも数週間は閲覧専用モードで残しておく。チームが新システムを使い始めた後に不足が見つかった場合に、照合できるようにするためだ。
特殊なケース
通常より移行が難しいケース
添付ファイル(書類、契約書、画像)は、通常のテーブルデータよりも移行が難しいことが多い。旧システムによっては添付ファイルを一括エクスポートできない場合があり、個別対応や手動でのダウンロードが必要になる。
1人の顧客が複数の契約、複数の連絡先、そして何年にもわたるやり取りの履歴に紐づいているような、複雑な構造を持つデータも、移行後にこうした関係性がばらばらの独立したデータ行になってしまわないよう、より多くの計画が必要になる。
開始前に
開始前に導入パートナーに聞くべき質問
導入パートナーが添付ファイルをどう扱うのか、サンプルデータでの事前テストを行うのか、そして移行後の数値照合は自社が行うのかパートナーが行うのかを、はっきり確認しておく。
完全に切り替えた後に不足が見つかった場合の対応策、例えば旧システムをどれくらいの期間残しておくか、後から追加インポートが必要になった場合の費用についても聞いておくとよい。
CRM移行時のデータ消失は避けられないリスクではなく、確認作業を省いた結果にすぎない。きちんと計画されたプロセスがあれば、他社CRMからSalesforceへの移行は新しい家に引っ越すのと変わらない。丁寧に梱包し確認さえすれば、すべてを持っていくことができる。
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