Salesforceの事例として目にするものの多くはB2Bを前提としている。案件パイプライン、長い営業サイクル、同じ取引先企業内の複数の意思決定者。もし自社が消費者に直接販売しているなら、当然こんな疑問が浮かぶだろう。Salesforceは本当に自社に合っているのか、それともB2B専用のツールなのか、と。
結論を先に言えば、SalesforceはB2Cにも十分対応できる。ただし、その適合度は「企業向けか消費者向けか」ではなく、「顧客の購買体験がどれだけ複雑か」によって決まる。

目次
背景
なぜSalesforceのコンテンツの多くがB2B向けなのか
Salesforceは、複雑な案件パイプライン、複数の承認ステップ、一つの取引に関わる複数の担当者を管理する必要があったB2B営業チームの文脈で生まれ、最も成長した。そのため、ドキュメントや事例、導入コンサルタントの多くも、B2Bの言葉やプロセスに最も精通している。
その結果、多くのB2C企業がSalesforceを調べる際に違和感を覚える。「案件管理」や「複数段階の承認ファネル」といった事例は自社の課題とは違って聞こえるが、実際にはプラットフォーム自体は十分に応用可能で、設定の仕方が異なるだけだ。
本当の判断基準
適合を決めるのはB2BかB2Cかではない
本当に問うべきなのは「誰に売っているか」ではなく、「自社の顧客体験はどれだけ複雑で、複数回のやり取りを追跡する必要があるか」だ。リピート購入サイクル、ロイヤルティプログラム、長期のアフターサービスを持つB2C企業は、実は中規模のB2B案件に劣らないほど複雑な顧客体験を抱えていることが多い。
逆に、シンプルな商品を一度だけ販売し、納品後は一切やり取りがないB2B企業であれば、その「B2B」という見た目ほど管理すべき複雑さはない。ビジネスモデルはあくまで参考情報であり、決定要因ではない。
適している場合
B2Cが本当にSalesforceのようなフルCRMを必要とする場合
自社の商品やサービスにリピート購入サイクルがある場合、例えば顧客が毎月または四半期ごとに定期的に購入する場合、購買履歴や個々の行動を追跡することで、顧客リスト全体に同じ内容を送るのではなく、パーソナライズした対応ができるようになる。
ロイヤルティプログラムも明確なサインの一つだ。ポイント、会員ランク、複数回の購入で使用された優待の履歴を追跡する必要がある場合、Salesforceのような一元化されたシステムが、顧客データが複数の販売プラットフォームに散らばる事態を防いでくれる。
製品保証、購入後の技術サポート、継続的な顧客ケアプログラムといった長期のアフターサービスも、B2Cが長期間にわたり複数の接点で顧客を追跡する必要がある場合であり、まさにSalesforceが解決するために設計されたコアの強みに合致する。
まだ必要ない場合
単発購入型のB2Cにまだ必要ない場合
自社のビジネスモデルが単発購入型で、リピート顧客になる可能性が低く、取引完了後に長期的なケアプログラムが一切ない場合、Salesforceのようなフル機能のCRMは、実際のニーズを上回る投資になる可能性がある。
その場合、注文管理や在庫管理に特化したよりシンプルなツール、あるいはすでに使っているECプラットフォームに標準搭載されている基本的なCRM機能で、別のシステムを追加しなくても十分に運用できることが多い。
自己診断
自社のビジネスモデルを見極める方法
簡単なテストがある。典型的な顧客が、最初の購入から12カ月以内に自社と何回やり取りするかを数えてみることだ。その回数が1回だけなら、まだSalesforceのようなフルCRMは必要ない可能性が高い。3回以上なら、一元化された追跡システムへの投資が意味を持ち始める。
なお、この判断基準を検討する際に参考になりそうなSonixの日本語コンテンツは現時点で見つからなかった。ベトナム語版・英語版のSalesforce関連記事は複数公開されているため、日本語での詳細情報が必要な場合はSonixに直接問い合わせることをおすすめする。
問うべきなのは「SalesforceはB2C向けか」ではなく、「自社の顧客体験は一元化された追跡システムを必要とするほど複雑か」だ。この問いに正しく答えることは、自社をB2BかB2Cかとラベル付けすることよりもはるかに重要だ。
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